>小部経典

8 テーラガーター

6.5. マールキャプッタ長老の詩偈

〔気づきを〕怠るままに歩む人間の、渇愛〔の思い〕は増え行く――蔓草が〔生い茂る〕ように。彼は、あの〔世〕からあの〔世〕へと浮きただよう(輪廻する)――猿が、林のなかで果実を求めるように。

渇愛が、世における執着が、この卑しむべきものが、彼を打ち負かすなら、彼の、諸々の憂いは増え行く――雨を得たビーラナ〔草〕のように。

しかしながら、渇愛を、世における超え難きものを、この卑しむべきものを、彼が打ち負かすなら、彼から、諸々の憂いは落ち行く――蓮〔の葉〕から、水の滴“しずく”が〔落ちる〕ように。

〔わたしは〕それを、あなたたちに説くであろう。ここに集いあつまったかぎりの、あなたたち〔全て〕に、幸せ〔有れ〕。

 渇愛の根を掘り崩せ――ウシーラ(ビーラナ草の根、香料として使う)〔の採取〕を義(目的)とする者が、ビーラナ〔草〕を〔掘る〕ように。悪魔が、繰り返し、あなたたちを、まさしく、流れが葦を〔打ちひしぐ〕ように、打ち砕くことがあってはならない。

覚者(ブッダ)の言葉を為せ。まさに、〔いかなる〕時節であろうが、〔無駄に〕過ぎ行くことがあってはならない(瞬時でさえも、虚しく過ごしてはならない)。なぜなら、〔いかなる〕時節であろうが〔無駄に〕過ごした者たちは、地獄に引き渡され、憂い悲しむからである。

怠ること(放逸)は、塵である。塵は、〔気づきを〕怠ることから生み落とされた。〔気づきを〕怠らないこと(不放逸)によって、明知によって、自己の矢を引き抜くがよい。ということで――

 ……マールキャプッタ長老は……。